旅人は征棹(せいかん)に倚(よ)り、薄暮長歌起こる。笑攬す、清谿の月。清輝多きを厭はず。
旅人が舟の棹にもたれかかると夕暮れに長吟する声が聞こえてきます。笑いながら清谿の月を眺めましょう。清い光はいくらあってもよいものです。
張旭(字は伯高)の「清谿に汎ぶ舟」詩。張旭は剣舞を見て草書の筆法を悟ったといいます。独特の崩し方は狂草と言われました。
背景に月をぼかし染めで浮かべ、草書体の周りを白抜きにして文字を浮かび上がらせました。
むらのある藍染の布をマットに使いました。