黄景仁 「友と酒と月」

黄景仁(字は仲則)の五言絶句「夜与方仲履飲」(夜、方仲履と飲す)

細酌して明月に向かひ  情を含んで柳條に問ふ。 春と人は俱に去らんと欲す。直だ是れ可憐の情。

ゆっくり静かに酒を交わし明月に向かい、情を込めて柳の枝に問う。春と人とは共に去ろうとしている。ただこの憐れむべき夜に。

阿波の藍染紙に繊細なタッチの篆書で書きました。紙は藤色の阿波紙の上に張り、上下と左に藤色を覗かせました。マットの紺との間のアクセントにしています。マットには、粋な大島紬の泥染。