此の夜、一輪満てり。この夜、一輪の名月の清浄な光が、行き渡らないところはありません。
宋代の雷庵正受編『嘉泰普灯録』より。
禅語では「佛性の励行が世界を照らし、普遍である。」という霊験をあらわします。月影を見ての素直な感慨としてこの一句の美しさを、書で表現しました。
白抜きの技法とぼかし染めで、幻想的な雰囲気が出せたと思います。
天地に波頭文様の布をあしらったモダン装丁。作品の周りには2㎜の覆輪が施されています。軸先は青い陶器製。
此夜一輪満 掛軸 軸先 一輪 月影 澄月